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生理不順

生理不順(月経不順)について

生理不順について

正常な月経周期は25~38日くらいです。常に一定の人もいれば、多少ずれる人もいますが、範囲内に収まっていれば問題ありません。生理不順の多くは、ストレスを受けて自律神経が乱れ、ホルモン分泌に影響が出るために起こります。ストレスには疲労や精神的負荷の増大といった悪いことだけでなく、引っ越しや進学、結婚式といった良いことも含まれます。また体重の急激な減少も、ホルモンの分泌に大きな影響が出ます。

生理不順のいろいろ

生理不順には、下記のように、いろいろなタイプがあります。

生理の周期が長い(稀発月経)

39日以上間隔が開くような、長い周期を「稀発月経」と言います。原因は、卵巣の働きが不十分なために、排卵活動が順調におこなわれていないことが考えられます。排卵機能は25歳くらいで成熟するともされており、若い方は生理不順の方も多いようです。

排卵は妊娠成立のために必要な現象ですが、すぐの妊娠を希望していない場合は排卵がなくても問題ないことも多いでしょう。もともと生理不順であるひとは、ストレス等によって乱れたというよりもともとの体質(排卵がおきにくい体質)である可能性が高いと思われます。排卵しにくいと妊娠のチャンスが減るともいえますが(30日周期のひとは1年で12回排卵するのに対し、45日周期のひとは1年で8回排卵となる)、1回1回の排卵での妊娠率には基本的に影響がないので、生理不順だから不妊というわけではありません。ただし、「排卵がおきにくい」ではなく「排卵がない」という場合は不妊の原因となりますし、女性ホルモン量の低下や子宮の病気の原因ともなりえますので、婦人科を受診しエコーや採血検査で排卵の有無や子宮卵巣の病気がないことを確認しておいてもよいでしょう。

一方、元来生理周期が順調なひとの周期が乱れた場合は、上記のストレスや体重減少などのほか、更年期によるホルモン機能の低下や卵巣腫瘍によるホルモンの乱れのこともあります。1-2回の乱れは様子をみていてもよいと思いますが、2-3か月以上乱れるようであれば婦人科を受診し、卵巣のエコー検査やホルモン採血検査等を相談してみるのがおすすめです。

生理の周期が短い(頻発月経)

月経周期が24日以下の短いサイクルになることを「頻発月経」と言います。原因としては、生理周期が長いひとと同様に排卵障害が背景にあることが多いのですが、卵巣ホルモン機能の低下が原因のこともあります。

月経と思っている出血が、実際は生理ではなく不正出血である場合は、見かけ上は生理周期が短くなっていても、実際の生理自体は周期が長いということが考えられます。この場合は上記の稀発月経と同じ対応となります。

卵巣ホルモン機能の低下が原因の場合は、排卵後に分泌される黄体ホルモンの働きが不十分で、排卵日から月経開始までの期間が短くなる場合(黄体機能不全といいます)や、更年期に入る前の時期に一時的に周期が早くなる場合などがあります。いずれも妊娠を考えている場合には、妊娠しにくかったりすることもありますので、妊娠出産を望んでいる方は、早めに婦人科を受診し、ホルモンの分泌状態を調べたほうがよいでしょう。

過長月経と過多月経

月経期間が8日以上続く状態を「過長月経」と言います。原因としてはホルモンの乱れのほか、子宮の病気や体質によるものなどの可能性が考えられます。帝王切開後の方にも生理期間が長くなる人がしばしば見られます(帝王切開後の子宮の傷に生理の血がたまるため)。

ホルモンの乱れとしては、排卵後のホルモン機能(黄体ホルモン機能)の低下により、生理の前に助走出血のような少量の出血期間が出現するため、結果として生理期間(出血している期間)が長くなるといった機序等が考えられます。

生理期間が長いうえに、量も多い(過多月経)となると、子宮の病気(子宮筋腫や子宮ポリープ、子宮がん)や体質(血がとまりにくい体質)によるもののことも多いようです。出血量が多く、経血にレバー状のかたまりが混じる、月経痛がひどいなどの症状が見られる場合は、婦人科を受診し、原因検索のために診察(エコー検査や採血検査)をうけるようにしましょう。原因が確定した場合は、子宮筋腫摘出術などの原因疾患の治療のほか、ピルによる治療により症状の改善が期待できるため、早めに相談してみるようにしましょう。

過少月経と過短月経

経血量の極端に少ない状態を「過少月経」、月経が2日以内で終わってしまうような場合を「過短月経」と言います。女性ホルモン機能の低下や、排卵機能の乱れによるものなどが考えられます。様子をみてもよい場合が多いと思われますが、妊娠を希望している方は、不妊の原因になる可能性もありますので婦人科を受診してみましょう。

プレ更年期の月経不順

卵巣の機能低下は、35歳頃から少しずつ始まっています。更年期の前段階のプレ更年期(30代後半~40代ぐらい)で、月経周期の乱れ(周期が早くなることが多い)や経血量が減少するなどの症状がある人は、更年期に向けた変化がすでに起こりつつあるのかも知れません。

40代なかばをすぎて更年期の時期になると、周期の乱れ(周期がながくなる)や量の変化(減ることが多い)がみられ、通常50歳前後で閉経となります。

ホルモン機能のゆるやかな低下は自然現象ですので、特に心配ありませんが、急激なホルモンの低下がおきるとホルモンを補う治療(ホルモン補充療法)が必要なケースもあります。

生理不順の治療

生理不順の方はまずは原因を知るために一度産婦人科を受診しておきましょう。そのときに様子をみるのか治療するのか方針も確認できます。

基本的には妊娠希望がすぐにあるかどうかで方針が決まり、すぐの妊娠希望があるなら治療、ないもしくはいつかは妊娠希望という状態なら様子をみることができます。すぐの妊娠希望がなくても生理不順があるとイベントの予定が立てにくい、避妊がしにくいといったことがあればピルで生理周期を整える相談もできます。ピルによる治療はみかけ上順調になりますが、人工的なホルモン投与によって順調になっているだけであり、自身の体質が治療されているわけではないので、将来の不妊を予防するといった効果が期待されるものではなく、今現在を快適に過ごす(生理が順調になる、避妊ができる、生理痛がなくなるといった作用が期待できます)ためのものとなります。

治療の内容は排卵誘発剤や漢方薬、適切な体重の維持、生活習慣のみなおしといったものがあり、診療時に相談して決定していきます。

更年期の時期であれば、更年期障害の症状があればホルモン療法がおすすめとなりますが、更年期障害の悩みがなければ仕方ないものとして様子をみていてもよいでしょう。様子をみてよいかどうかの判断も受診時に相談していただけます。

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